VodraEditでシナリオを書こう

1.最低限知っておいてほしいこと

VodraEditは、演劇やボイスドラマといったシナリオを「お手軽に」「きれいに」書く助けになれば、と作られました。起動した時に現れる画面は普通のモノ書きソフトのものとあまり変わりませんが、このソフトでシナリオを書くためには、書き方にいくつかルールがあります。


その中でも一番大切なルールはこれです。

%(パーセント)記号で始まる文は「コマンド」か「コメント」


これだけは覚えておいてください。以下、「コマンド」と「コメント」の説明です。



「コマンド」とは

VodraEditは、書かれたシナリオをPDFに書き出す時に、「書かれた文章のどの部分がどんな種類の文か」を分析して、並べ替えたり、文字を揃えたりして体裁を整えます。ユーザーが、例えば「ここはタイトル」とか「ここは登場人物紹介」とか、そんな情報をVodraEditへ伝えるための指令、それが「コマンド」です。

下の例は、「ここがタイトルだよ」と伝えるコマンドです。


%title
VodraEditの使い方
%/title


この例では、「%title」と「%/title」という2つのコマンドを使っています。どちらも「%」で始まっていることに注意してください。この二つのコマンドに挟まれた文、「VodraEditの使い方」がこのシナリオのタイトルになります。

なお、「コマンド」は結構あります。慣れないうちは大変かもしれませんが、ここを読み進めていくうちにすぐに使いこなせるようになると思いますので、少し我慢してお付き合いください。



「コメント」とは

そのままです。要するに「メモ書き」です。下はコメントの例です。


% ここはわたしのひとりごと。完成したpdfには出ませんよっと。

「%」で始まっていますが、そのすぐ後にコメントが始まっています。VodraEditは、%の後ろに特定のコマンドがない場合、すべて「コメント」として処理します。
改行するまで、ずっとコメントです。

コメントは、PDFに書き出すときに「全て無視」されます。つまり、最後に仕上がったPDF文書の中にはコメントはありません。ですので、執筆中、自分だけのメモを取りたくなったときにお使いください。

!コメント時の注意!

例えば、「titleはここ」というコメントを書きたいとします。%のすぐ後にこれを書くと、


%titleはここ (ダメなコメントの例)


こうなりますが、VodraEditにはすでに「%title」というコマンドがあるため、VodraEditがこれをコマンドと勘違いしてしまい、PDF文章が大きく崩れてしまう恐れがあります。

もしコメントを書きたいときは、「最初の%のすぐ後に空白を入れること」を強く推奨します。上の例で言えば、


% titleはここ (よいコメントの例)


「%」と「title」の間に空白が入っているので、コマンドと勘違いされずに済みます。



2.複数行コマンドと1行コマンド

コマンド形式には二種類あります。
ひとつは、2つのコマンドを使い、挟まれた部分に情報を書く「複数行コマンド」
もうひとつは、1つのコマンドのみで、コマンドのすぐ後ろに情報を書く「1行コマンド」です。

%titleは「複数行コマンド」です。2行や3行にまたがるタイトルを付けたい方もいらっしゃるでしょう。複数行コマンドでは、情報を何行も書くことができます。ここで書かれた文は、改行やスペース「すべてそのまま」PDFの書き出しに反映されます。%/titleは「ここまでがタイトルです」という印だ、と考えてください。

「1行コマンド」は、文字通り、1行で完結するコマンドです。たとえば「登場人物登録コマンド」である%cは1行コマンドの代表例です。下のように書きます。

%c 脚本戎太郎 <戎太郎>

最初に%cというコマンドを、空白の後に「登場人物の正式な名前」と「略称」を書いています。ごらんのとおり1行で終わるコマンドです。

VodraEditで用意されるコマンドは多くが「1行コマンド」です。また、シナリオの本文中でコマンドを使うことはほとんどありませんのでご安心ください。



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