8.本文を書く

VodraEditは「どこから本文か」というのは重視しません。別にタイトルや登場人物登録よりも前に本文を書いてもいいし、本文をあちこちに分割しても構いません。ただし、PDFに書き出す時は、「前から後ろに向かって順番に」書き出していきます。当然ですが、結末を最初に書くと第1ページでネタバレになってしまいますのでご注意ください。


「柱」の書き方

シナリオ中は、普通は各場面の始めに「柱」というものが付きます。これは、「いつ、どこ、どんな環境」などを簡潔に記したもので、各場面の見出しになります。
この「柱」を指定するコマンドは、%*、%/*です。

%*
ここに場面設定の説明、簡潔に
%/*

これは複数行コマンドなので柱の説明は何行でも書けますが、シナリオスタイルの慣習として、柱は一行で簡潔に書くのが良いようです。柱が複数行にもわたって大きくなるのは見栄えもあまり良くありません。

PDFに書き出された柱には通し番号が振られます。最初の柱には「1」、次の柱には「2」と、自動で番号が付きます。

なお、%*の後に番号を振ることができますが、これは「部分キャラ指定機能」を使うためのものです。
詳しくはここをご覧ください。




ここからはVodraEditに搭載された機能と合わせて説明していきます。他のエディタを使われる時は、これらの機能の説明は無視してください。
なお、メニューバー「表示」の「脚本編集モード」をオフにすると、自動補完機能が働かなくなります。

セリフの書き方

まず空白の行にカーソルを持っていってください。行の先頭にカーソルがあるはずです。この状態では、その行は「ニュートラル」状態です。つまり、セリフでもト書きでもコメントでもコマンドでもない「まっさら」な行です。

ここで、何か文字を打つと、その行は「セリフ」となります。実際に入力されるとわかると思いますが、「あ」と打つだけで、下のようになったはずです。

セリフ	「あ

つまり、「セリフ」という略称と左カギカッコが勝手に現れます。キャラの名前はこの時点で未定なので、「セリフ」と表示されています。このままセリフを書いていきましょう。

セリフ	「あー私は誰なんだ

ここまで書いてリターンキーを押すと、カーソルは次の行に行きますが、その時カッコは勝手に閉じられます。

セリフ	「あー私は誰なんだ」

つまりユーザーはカッコをいちいち書く必要がありません。

さて、この「セリフ」ですが、ここは後で変更できます。カーソルを「セリフ」という文字のどこかに置きましょう。そこでスペースキーを押すと、キャラ名が変化します。

セリフ	「あー私は誰なんだ」
	↓
ネル子	「あー私は誰なんだ」

スペースキーを押すたびに、登録されているキャラ名に次々と変化していきます。これが「略称自動選択機能」です。文字の色も変わるはずです。
キャラ名はいつでもスペースキーで変更できます。変更したいキャラ名の上にカーソルを置いてスペースキーを押してください。

さて、行に何も書かれていない状態でスペースキーを押しても、キャラ名が現れます。望みのキャラ名が現れた後、そのままの状態でセリフを書き始めると、カギカッコが勝手に現れるため、そのままセリフを書いていけます。

以上がセリフ入力の概要です。要するに「行の先頭で何かTabキー以外の文字を打てば、とにかくセリフになる」というふうに覚えてください。



ト書きの書き方

行に何か書かれていない状態でTabキーを1回押すと、カーソルは右にジャンプします。その行は「ト書き」となります。文字の色は灰色になるはずです。リターンキーが押されて改行するまで、その行はずっとト書きです。



空白行、改ページの指定

VodraEditは複数行コマンドの外にある空白行は全て無視します。本文中に空白行をどれだけ入れても、書き出すPDF文書には空白行は入りません。

PDFに空白行を入れたい場合は%sコマンドで空白行を指定することができます。

ネル子	「次の行は空白ですよ」
%s
スヤヤ	「上の行は空白でした」

このように指定すると、PDF文書では%sの部分は空白行になります。

「ここでPDFのページを変える」という指定をしたい場合は、%pを使います。

ネル子	「私がしゃべり終わったら次のページ」
%p
スヤヤ	「私は次のページのトップから」




音楽、効果指定の書き方

シナリオ中では効果や音楽などの指定をすることがあります。こうした指定を行うための記号でよく使われるものはVodraEditに登録されています。 登録されているキーワードは

M:    音楽の名前
SE:   効果音の説明
T:    字幕、タイトル
(BGM)  曲名
(F・I)  フェードイン
(F・O)  フェードアウト
(C・I)  カットイン
(C・O)  カットアウト
(C・T)  カット・トゥ
(O・I)  オーバーラップ
(Z・I)  ズームイン
(Z・O)  ズームアウト
(P・T)  パン・トゥ
(Fr・I) フレームイン
(Fr・O) フレームアウト
(C)    カメラワーク
終わり

です。 行の先頭でShiftキーを押しながらスペースキーを押せば、こうした登録済みの効果指定が現れます。
例えば下の例の(BGM)は、Shiftキーを押しながらスペースキーを4回押せば現れます。

%e(BGM)	スネ夫が自慢話をする時に流れている曲


なお、効果指定については、%eというコマンドを使います。
ご自分でオリジナルの指定をしたい場合は、%eのすぐ後に空白を入れずに記述してください。

ただし、「見出し」は7文字以下にしてください。詳細な説明を書きたいときはTabを挟んでください。以下の例は「ミラーボール」が見出し、Tabを挟んで「ぐるぐるピカピカ」が説明です。

%eミラーボール	ぐるぐるピカピカ



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